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「仕事を辞めたい」
ここまでは決まっている。
でも、
「人が足りないから言い出せない」
「管理薬剤師だから抜けられない気がする」
「退職を伝えたら引き止められそう」
「もう上司と話したくない」
そんな状態になることもあります。
そこで気になるのが、退職代行です。
ただ、調べる前の私は、
「本人の代わりに会社へ『辞めます』と言ってくれるサービス」
くらいの認識でした。
実際には、もう少し複雑でした。
まず知っておきたい。退職代行は「全部同じ」ではない
退職代行を調べていて、まず整理しておいた方がいいと思ったのがここです。
「退職の意思を伝えること」と、「会社と交渉すること」は別です。
たとえば、
「○月○日で退職したいと本人が言っています」
と会社へ伝えるだけなら、単なる意思の伝達です。
一方、
「有給を全部使わせてほしい」
「退職日をこの日に変更してほしい」
「未払い残業代を支払ってほしい」
となると、会社との交渉が必要になる場合があります。
労働組合法第6条では、労働組合の代表者や委任を受けた者に、組合員のため使用者と交渉する権限が認められています。(労働組合法第6条)
さらに裁判や損害賠償など、法的紛争そのものを代理するとなれば弁護士の領域です。弁護士ではない者が、報酬目的で一定の法律事件について代理・和解などの法律事務を業として扱うことは、弁護士法第72条で制限されています。(弁護士法第72条)
つまり、
退職代行を選ぶときは「いくらか」だけではなく、「誰がどこまで対応するのか」を見た方がいい。
ここが最初のポイントでした。
そもそも会社が「退職を認めない」はできる?
期間の定めがない雇用契約では、民法第627条により、労働者はいつでも解約を申し入れることができ、原則として申入れから2週間で雇用契約が終了します。
会社の承認がなければ辞められない、という仕組みではありません。(大阪労働局「よくあるご質問(退職・解雇・雇止め)」)
つまり、
「人がいないから辞めさせない」
と言われたからといって、それだけで退職できなくなるわけではありません。
薬局だと、
「薬剤師が足りない」
「次の管理薬剤師が決まっていない」
「この患者さんを見ているのはあなただけ」
と言われると、かなり辞めにくく感じます。
でも、人員を確保して薬局を運営する責任と、労働者個人が退職できるかどうかは分けて考えた方がよさそうです。
薬機法でも、薬局に管理者を置いて実地に管理させる義務は薬局開設者側に定められています。(医薬品医療機器等法第7条)
もちろん、管理薬剤師として医薬品管理などを担当しているなら、可能な範囲で引継書を残す方がいいでしょう。
ただ、
「管理薬剤師だから会社を辞められない」
という話ではありません。
「今日から出社不要」と「今日付で退職」は同じではない
退職代行のサイトを見ると、
「即日退職」
という言葉をよく見ます。
ここは少し注意が必要でした。
無期雇用の場合、法律上は原則として退職の申入れから2週間で雇用契約が終了します。(民法第627条)
そのため、
「今日、会社へ退職の意思を伝える」
ことと、
「法律上、今日付で雇用契約が終了する」
ことは同じとは限りません。
たとえば会社側と退職日について合意する、有給休暇を使うなどによって、退職の連絡をした日以降に出社せず退職日を迎えるケースは考えられます。
なので「即日退職」という言葉を見るときは、
今日から会社へ行かなくてよいという意味なのか、今日付で雇用契約が終了するという意味なのか
を分けて確認した方がよさそうです。
有給が残っていたら使える?
これも退職時によく気になるところです。
年次有給休暇は、原則として労働者が取得する時季を指定できます。
会社には一定の場合に時季変更権がありますが、退職日を越えて取得日を変更することはできません。
そのため、退職までに他の日へ変更する余地がなければ、退職前の残った年休について時季変更権を行使できないと厚生労働省や労働局も説明しています。(厚生労働省「確かめよう労働条件」、大阪労働局)
これは、
「人手不足だから有給は全部なし」
と単純に決まる話ではありません。
ただし、退職日そのものや有給取得をめぐって会社と話がまとまらないなら、ここから先は「意思を伝えるだけ」ではなく、交渉が必要になる可能性があります。
契約社員・有期契約の薬剤師は少し注意
ここは正社員と分けて考える必要があります。
期間の定めがある労働契約の場合、原則として契約期間の途中で自由に辞められるという扱いではなく、「やむを得ない事由」がある場合には途中解除できると民法第628条で定められています。(大阪労働局)
ただし、1年を超える有期労働契約については、一定の例外を除き、働き始めて1年を経過した後なら労働基準法第137条により申し出て退職できる場合があります。(厚生労働省)
つまり、
「退職代行を使えば雇用契約の種類に関係なく今日辞められる」
と考えるのは危険です。
自分の雇用契約が無期なのか有期なのかは、最初に確認しておいた方がいいでしょう。
給料や離職票はどうなる?
退職代行を使うと、
「最後の給料を払ってもらえないのでは」
と不安になるかもしれません。
退職したからといって、すでに働いた分の賃金がなくなるわけではありません。
さらに退職時、労働者から請求があった場合には、使用者は7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還しなければならないと労働基準法第23条に定められています。(労働基準法第23条)
離職票についても、会社は退職後に雇用保険の資格喪失手続きを行います。
厚生労働省によると、会社は離職日の翌々日から10日以内に資格喪失届をハローワークへ提出し、その後、離職票が会社経由で本人に交付される流れです。(厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ」)
退職代行を利用したから離職票がもらえなくなる、という仕組みではありません。
「突然辞めたら損害賠償される」は?
ここも「絶対にない」とは書かない方がいいと思います。
無期雇用なら退職の自由がありますが、有期契約の途中解除など、契約や辞め方によって法律関係は変わります。
特に民法第628条では、有期契約を「やむを得ない事由」で途中解除する際、その事由が一方の過失によって生じた場合の損害賠償責任についても規定されています。(民法第628条)
一方、
「薬剤師が一人減った」
「人員不足になった」
というだけで、会社が労働者の退職そのものを拒否できるわけではありません。
心配な事情がある場合は、「退職代行なら大丈夫」と自己判断するより、弁護士などへ確認した方が安全です。
では、退職代行Jobsはどんなサービス?
今回確認した退職代行Jobsは、株式会社アレスが運営する民間の退職代行サービスです。
公式サイトでは、顧問弁護士の指導のもと運営し、合同労働組合ユニオンジャパンと連携していると案内されています。
ユニオンジャパン自身も、退職時期や有給消化などの退職関連の個別労働紛争を専門に扱う合同労働組合と説明しています。(退職代行Jobs公式サイト、合同労働組合ユニオンジャパン)
ここで重要なのは、
「弁護士監修=弁護士が自分の代理人になる」ではない
という点です。
退職代行Jobsの公式サイトでも、裁判での代理人については弁護士とは区別されています。
会社との交渉が必要な場合には、連携する労働組合を利用する仕組みです。(退職代行Jobs公式サイト)
現在の料金
2026年8月時点の公式サイトでは、
- 退職代行のみのシンプルプラン:27,000円(税込)
- 退職代行+労働組合の安心パック:29,000円(税込)
- 後から労働組合へ加入する場合:合計31,000円(税込)
と案内されています。
同時加入の場合は組合加入金2,000円が免除され、組合費2,000円が加わる仕組みです。(退職代行Jobs公式サイト)
また公式サイトでは、
- 24時間365日対応
- 最短30分で手続き
- 現金後払いに対応
- 退職完了まで無期限フォロー
- 相談実績60,000人超
- 過去の退職率100%
などを掲げています。
ただし、最後の「退職率100%」などは運営会社自身が公表している実績です。利用者全員に将来の退職結果を保証する数字ではない点は分けて考えた方がいいでしょう。(退職代行Jobs公式サイト)
退職代行Jobsが候補になりそうな人
調べた範囲では、私はこんな人なら退職代行を検討する意味があると思いました。
- 退職する意思は固まっている
- でも上司へ直接言うことが大きな負担になっている
- 何度伝えても引き止められている
- 会社から直接連絡を受けたくない
- 有給や退職日の話も出てきそう
- 自分一人で会社とやり取りするのが難しい
逆に、
「なんとなく辞めたい」
という段階なら、いきなり退職代行を使う必要はないと思います。
何が嫌なのかを整理してみたら、会社を変えれば解決する問題かもしれません。
退職代行を使う前に、最低限確認しておきたいもの
申し込む前に、
- 雇用契約書
- 就業規則
- 有給休暇の残日数
- 最終出勤希望日
- 退職希望日
- 会社から借りている制服、鍵、パソコンなど
- 離職票が必要か
- 未払い残業代などの問題がないか
は確認しておいた方がよさそうです。
貸与品については、退職代行Jobsも郵送返却を案内しています。
とはいえ、高額な機器や薬局の鍵などがあるなら、追跡できる方法で返却し、発送記録を残しておく方が安心です。(退職代行Jobs公式サイト)
退職代行は「辞めるための魔法」ではない
今回調べていて一番印象が変わったのはここでした。
退職代行というと、
「自分の代わりに会社を辞めてくれるサービス」
だと思っていました。
でも実際には、
退職の意思を伝える
条件を交渉する
法的トラブルを代理する
で、できる人が違います。
だから大事なのは、
「退職代行を使うかどうか」より、今の自分はどこで困っているのか。
なのだと思います。
自分で退職を伝えられるなら、自分で伝える。
伝えること自体が難しいなら、退職代行を使う。
会社との交渉が必要なら、労働組合や弁護士が対応できる範囲を確認する。
裁判や損害賠償などの法的トラブルがすでにあるなら、弁護士への相談を考える。
ここを分けて考えると、かなり分かりやすくなりました。
もう会社と直接やり取りするのが難しいなら
退職する意思は決まっているのに、
「言い出せない」
「また引き止められそう」
「会社から連絡が来ること自体がつらい」
という場合には、第三者に退職の連絡を任せる方法があります。
退職代行Jobsは、LINEから無料相談が可能です。
※退職代行のみ27,000円(税込)。会社との交渉も想定する安心パックは29,000円(税込)です。料金・サービス内容は変更される可能性があるため、申込み前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
※本記事は一般的な制度・法令について整理したもので、個別の法律相談を行うものではありません。契約内容や会社とのトラブルによって判断が変わる場合があります。個別の法的紛争については、弁護士や公的な労働相談窓口などへご相談ください。

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