薬剤師求人の「年間休日120日」は本当に多い?数字だけでは分からない休日の見方

年間休日120日 薬剤師のおしごと
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薬剤師の求人を見ていると、

「年間休日120日」

という数字をよく見かけます。

なんとなく、

「120日あれば休みは多そう」

「年間休日120日なら、わりとホワイトなのでは?」

と思います。

私も、求人票を見るなら120日前後あると少し安心する数字だと思っていました。

でも、よく考えると少し不思議です。

年間休日120日って、実際にはどんな休み方なんでしょうか。

毎週土日が休みなのか。

祝日も休めるのか。

土曜日は出勤して、別の平日が休みなのか。

夏休みや年末年始は含まれているのか。

有給を使って120日なのか。

同じ「120日」でも、ここが違えば生活はかなり変わります。

そこで今回は、

薬剤師求人の「年間休日120日」を、実際のカレンダーに置き換えて考えてみます。


そもそも「年間休日」って何?

まず、ここからです。

厚生労働省は「年間休日総数」を、就業規則や労働契約などによって労働する義務がないと定められた日の年間合計としています。

土日など会社が決めた週休日だけでなく、会社の休日として設定されていれば、祝日、年末年始、夏季休暇なども含まれます。

一方で、年次有給休暇は年間休日には含まれません。(厚生労働省「就労条件総合調査・用語の説明」)

ここは、まず一つ「なるほど」でした。

たとえば、

年間休日120日+有給10日取得

なら、実際に仕事へ行かない日は130日程度になる可能性があります。

逆に、

「夏休み3日あります」

と書いてあっても、それが会社の休日ではなく有給休暇を使って取得する制度なら、年間休日120日に3日が上乗せされるわけではありません。

なので求人を見るときは、

「年間休日は何日?」と「有給以外の特別な休みは何日?」を分けて考える

必要があります。


年間休日120日は、数字としては多いのか

では、120日という数字自体はどうなのでしょうか。

厚生労働省の2025年「就労条件総合調査」では、2024年の年間休日総数は、

  • 1企業平均:112.4日
  • 労働者1人平均:116.6日

でした。(厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」)

さらに企業を年間休日数で分けると、**120~129日の企業は37.3%**でした。今回の調査では、この区分が最も大きくなっています。

つまり120日は、

平均よりは多い。けれど、ものすごく珍しい条件でもない。

くらいの位置づけです。

「年間休日120日」というだけで超好条件とまでは言えませんが、少なくとも休日日数だけを見れば、現在の平均を上回る水準ではあります。

ただし、この統計は薬局だけの数字ではなく、複数産業を対象とした調査です。

そして問題は、ここからです。

年間休日が同じ120日でも、休み方は同じとは限りません。


「120日」をカレンダーにすると、見え方が変わる

1年はだいたい52週あります。

仮に毎週2日休めるなら、それだけで年間の休みは約104日です。

さらに、日本では年間16日の国民の祝日が定められています。振替休日などが発生する年もあります。(内閣府「国民の祝日について」)

つまり、

土日が毎週休み+祝日も基本的に休み

という働き方なら、それだけで120日前後になります。

こう考えると、

「年間休日120日」という数字は、ざっくり“土日祝が休みの会社員に近い休日日数”

とイメージすると分かりやすいです。

……ただし、薬剤師求人ではここで注意が必要です。

年間休日120日だからといって、

土日祝が休みとは限りません。


祝日=会社も必ず休み、ではない

ここも調べてみて少し意外でした。

労働基準法で会社に義務づけられているのは、原則として毎週1日以上、または4週間で4日以上の休日です。(労働基準法第35条)

「国民の祝日だから、民間企業も必ず休ませなければならない」というルールではありません。

東京労働局も、「国民の祝日」と労働基準法上の「休日」は別のものだと説明しています。

つまり、

祝日に薬局が開いていて出勤する。代わりに別の日が休み。

という働き方でも、年間休日120日は成立します。

だから求人票で、

年間休日120日

を見つけても、

「土日祝休みなんだ」

と脳内変換してはいけないわけです。


同じ年間休日120日でも、こんなに違う

例えば、次の3つの職場があったとします。

A:土日+祝日中心に休み

基本的に土日休み。

祝日も休み。

年末年始も休み。

これは多くの人が「年間休日120日」と聞いて想像する形に近いと思います。

連休もできやすく、家族や友人とも予定を合わせやすい。


B:月10日前後をシフトで休む

年間休日は同じ120日。

ただし土日祝も勤務があり、

月ごとのシフトで10日前後休む。

年間の日数は同じでも、休みの場所が違います。

平日に役所や病院へ行きやすいメリットはありますが、土日に予定を合わせたい人には合わないかもしれません。


C:日曜+平日休みが中心

日曜日は固定休。

もう1日は木曜などの平日。

祝日は店舗によって出勤。

こちらも計算次第では年間120日前後にできます。

A、B、C。

全部「年間休日120日」です。

でも、自分が1年間働くところを想像すると、かなり違います。

ここで今回、一番重要だと思ったのが、

年間休日は「休みの量」は教えてくれるけれど、「休みの形」は教えてくれない

ということです。


「完全週休2日」と「週休2日」も同じではない

もう一つ気をつけたいのが、週休の表記です。

厚生労働省の就労条件総合調査でも、

「完全週休2日制」

と、

「その他の週休2日制」

は分けられています。

後者には、月3回、隔週、月2回、月1回など、完全週休2日制より休日日数が少ない形も含まれます。

なので、

「週休2日制」の文字だけを見て、毎週必ず2日休めると思わない方がいい

ということです。

求人を見るなら、

「週休2日」

の一言より、

実際に1か月のシフトで何日休みになるのか

まで確認した方が確実です。


薬剤師求人で特に気になる「半日勤務」

薬局の求人では、

「木曜午後休み」

「土曜は午前のみ」

のような勤務もあります。

ここも年間休日だけでは分かりにくいところです。

厚生労働省の定義では、休日は労働義務がない日です。

ということは、

土曜日に午前中だけでも勤務するなら、その日は「1日休日」ではありません。

だから、

年間休日は少なめだけれど、半日勤務が多い職場

もあり得ます。

逆に、

年間休日は120日あるけれど、勤務日は毎回しっかり8時間という職場もあります。

どちらが楽かは、一概には決められません。

ここでも、

年間休日だけでは、実際に仕事へ拘束される時間までは分からない

わけです。


夏季休暇・年末年始も「何日あるか」だけでは足りない

「夏季休暇3日」

「年末年始5日」

と書いてあると魅力的に見えます。

でも確認したいのは、

それが年間休日120日の中に含まれているのか。

そして、

有給とは別なのか。

です。

会社が最初から休日として設定している夏季休暇や年末年始なら、年間休日に含まれます。

一方、年次有給休暇は年間休日総数には含まれません。(厚生労働省「就労条件総合調査・用語の説明」)

なので求人票を見るなら、

「年間休日120日、夏季休暇・年末年始あり」

だけではなく、

「年間休日120日の内訳を教えてください」

と聞いてしまうのが一番早いと思います。


結局、年間休日120日の求人では何を聞けばいい?

ここまで調べると、確認したいことはかなりシンプルになりました。

私は求人票で「年間休日120日」を見つけたら、次のように確認します。

  • 週に何日休みなのか
  • 固定休なのかシフト制なのか
  • 土曜日は勤務なのか
  • 祝日は勤務なのか
  • 夏季休暇は何日か
  • 年末年始は何日か
  • それらは年間休日120日に含まれているのか
  • 有給休暇とは別なのか
  • 半日勤務はあるのか
  • 店舗によって休日数や曜日が変わらないか

できれば、

「直近の1か月分のシフトだと、どんな休み方になりますか?」

まで聞けると分かりやすいです。

年間休日という抽象的な数字が、

一気に自分の生活へ変わります。


「120日あるか」より、「120日をどう休むか」

最初は、

年間休日120日なら多いのか?

という疑問から調べ始めました。

数字だけなら、120日は現在の平均を上回っています。

なので、

「年間休日120日は少ない」

というわけではありません。

ただ、今回調べてみて、それ以上に気になったのは、

同じ120日でも、生活はまったく同じにならない

ということでした。

土日祝に休む120日。

シフトで休む120日。

平日と日曜に休む120日。

半日勤務が混ざる働き方。

求人票には全部、

「年間休日120日」

としか書かれない可能性があります。

だから求人を見るときは、

年間休日という数字を、そのまま比較しない。

一度、

「この120日を実際のカレンダーにすると、私はいつ休むことになるんだろう?」

まで変換してみる。

これが、年間休日を見るときに一番大事なことだと思います。


参考資料

  • 厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」
  • 厚生労働省「就労条件総合調査・用語の説明」
  • 厚生労働省「労働条件・職場環境に関するルール」
  • 東京労働局「労働基準法 素朴な疑問」
  • 内閣府「国民の祝日について」

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